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二次健康診断(二次健診)の重要性と給付について

二次健康診断(二次健診)の重要性と給付について

定期健康診断において異常所見が出た従業員に対して、治療の必要な異常なのか、業務への支障がある異常なのかを確認するのが二次健康診断(二次健診)です。

企業として従業員に二次健診を受けさせる必要はあるのかどうか、費用などはどうなるのかなど説明していきます。

二次健診の対象

二次健康診断(二次健診)とは、定期健康診断(一次健診)の結果において健康状態に何らかの問題がある、またはその可能性が高いと判断された場合に受ける検査を指します。
定期健康診断において異常所見が出た場合、治療の必要な異常なのか、業務への支障がある異常なのかを確認します。

定期健康診断の結果は、健診機関にもよりますが検査項目ごとに「所見なし」「軽度異常」「要経過観察」「要精密検査」「要治療」に分けられます。
この中で2次検査が必要なのは「要経過観察」と「要精密検査」になります。「要治療」に関しては医療機関での受診を勧めるレベルになります。

二次健診の必要性

健康診断の実施は会社の義務であると同時に、従業員にとっても受診の義務があります。
一方、二次健診の受診は任意であり、費用は負担してくれる会社もありますが、基本は自己負担、結果を会社に報告する義務もありません。

ただし会社は従業員に対して、「二次健康診断の受診を勧奨するとともに、診断区分に関する医師の判定を受けた当該二次健康診断の結果を事業者に提出するよう働きかけることが適当である。」とされています。

会社側がそのまま対象者を受診勧奨もせず放置し、環境も改善もせず何か起きた場合には、安全配慮義務違反などに問われる可能性もあります。そうならないように医師(産業医)に2次検査を勧奨してもらい結果を確認し、治療や保健指導を勧めることが望ましいでしょう。

費用に関しても会社が負担するのが難しいのであれば、労災保険二次健康診断等給付という制度もあるので後述します。

労災保険二次健康診断等給付について

労働安全衛生法に基づく定期健康診断、雇入れ時健康診断等のうち、直近のものにおいて、「過労死」等の原因である脳・心臓疾患に関連する一定の項目について異常の所見があると診断された場合、脳血管及び心臓の状態を把握するための二次健康診断及び脳・心臓疾患の発症の予防を図るための特定保健指導が給付されます。

支給要件

① 1.血圧検査 2.血中脂質検査 3.血糖検査 4.腹囲の検査又はBMI(肥満度)の測定の4点すべてにおいて、所見があると診断された場合

※ただし、健康診断の担当医が、1から4の検査について、異常なしの所見と診断した場合であっても、労働安全衛生法に基づき事業場に選任されている産業医等が、一次健康診断の担当医が異常なしの所見と診断した検査項目について、当該検査を受けた労働者の就業環境等を総合的に勘案し、異常の所見があると診断した場合には、産業医等の意見を優先し、当該検査項目については、異常の所見があると診断されたものとみなします。

② 脳・心臓疾患の症状を有していないこと。

③ 労災保険の特別加入者でないこと。

④ 二次健康診断等給付の請求が、定期健康診断受診日から3ヶ月以内であること。

⑤ 当該年度内に二次健康診断等給付を受けていないこと。

給付内容

二次健康診断:脳血管、心臓の状態を把握するために必要な検査。
特定保健指導:脳・心臓疾患の発症の予防を図るため、医師又は保健師の面接による保健指導

要件等に当てはまればこれらの健康診断等を無料で実施することが可能です。
請求方法等は厚生労働省のHPでご確認ください。

最後に・・・

病気が発見されるのが怖い、お金がない、時間がないなど、二次検査に足が向かない理由は人それぞれでしょう。しかし、従業員の体調や環境を考慮しながら適切な労働環境を整えることは、会社にとって大事なことです。

日本産業医支援機構では、サービスの一つとして「就業判定サービス(就業区分の判定および意見書作成)」がございます。
健康診断の結果をもとに、当社の医師が就業区分を判定いたします。必要に応じて医療機関受診勧奨レターや有所見の検査項目に沿った保健指導レター(指導箋)を発行いたします。
また、「健康診断は実施しているが、結果の管理までできていない」「健康診断結果の就業判定のみを依頼できるところを探していた」などのお悩みやご質問など御座いましたら、お気軽にホームページ、またはお電話にてお問合せください。

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